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ほんだな

読んだ本の記録・メモ。

彼が、性犯罪被害者に焦点をあてたテレビ番組を見ていたり、仕事柄見聞きする性犯罪の話をしたりするとき、なぜだかわからないけれど嫌な気持ちになる。真剣な気持ちで見ているのもわかるし、彼の発するコメントも的確で同意できるのに。だから何が不満なのか気に入らないのかわからないのだけど。
「見ないで」「知らないでいて」という気持ちになるのは、どうしてなんだろうね。



最近読んだ吉田修一の本がわりと軽めに感じたので、思ったよりも読み甲斐はあった。
ただ、扱っている事柄に対して、書ききっていないというか中途半端な感じも若干した。
「俊介」と「かなこ」の関係は読んでいて見当がついていたので、ストーリーではなく、人物の内面や心情をもっと描ききってほしかったかも。あるいは、いっそ淡々と距離を置いて、この人らしい書き方で描いてもよかったのかも(『パレード』はそういう淡々としたところが好き)。
★は3.5かな。
★★★☆☆


さよなら渓谷/吉田 修一

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小説を好きなことと、作家を好きなこととは、違う。
ということを改めて思う。
作品と作者は別物だよね。
絲山秋子の小説は好きだけど、エッセイを読んで、この人とわたしは合わないなーと感じた。読めば読むほどいちいち・・・。とはいえ、エッセイを読んでいる限りはそれなりにおもしろく、実生活で関わらなければそれほど嫌いでもないかもしれないが。

でも、この人の世界に対して喧嘩腰(?)のところ、小説の中の随所にも見られて、それはけっこう嫌いじゃなかったりする。ということは、わたし自身にもそういう面はあるのかもしれない。
小説だと、愛情 を感じるから、あたたかみもあるのかな。
★★★☆☆


絲的メイソウ/絲山 秋子

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こういう話だった、と思い出しながら再読。
非常によく練られた小説なのかもしれないけれど、単純に読んで楽しいのは1~3章かなぁ。
存在自体が不確かな物語、謎につつまれた物語、これから書かれようとしている物語・・・。「物語」の持つ力、魅力は無限だと思う。
★★★☆☆




三月は深き紅の淵を (講談社文庫)/恩田 陸

¥700
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気にはなっていた(かなり前の)話題作。買うほどでも・・・と思い読まずにきてしまったので、図書館から借りてきて読書。

アイデアというか着眼点はおもしろいし、考えるきっかけにはなる本だけど、小説としてはどうなのかなぁ。ここからいろいろ考えれば、読んでよかったと思う本になるのだろうけれど。あらすじだけで十分という気もする。
ちょっと辛口かもしれないけど、期待して読んだ分、
★☆☆☆☆


となり町戦争/三崎 亜記

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友達から勧められて借りた本。
第1章と第3章はとりあえずいいとして、熟読すべきは第2章か。
わたしが産む予定の病院とほとんど同じことを言っている。
何がよい、というのは、いろんな意見がある。だから、あとは自分が何がよいと信じるかなんだろうな。
初めての経験の場合、実体験に基づいた判断ができるわけじゃないから、難しいところもあります。
でも、この病院で産むと決めた以上、この第2章でも言われていることを信じるのがいちばんいいんだと思う。

「立ち会い出産は見学出産ではない」というのは、同感。そうそう、と思わず頷いてしまった。
★★★☆☆


えらぶお産/大葉 ナナコ

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図書館通いをし始めると、読んだことのない作家の本も手軽に手に取れるようになる。本屋さんで買うとなると、やっぱり失敗はしたくないので慎重になるからね。

で、名前も聞いたことのない作家の本を借りてきたけれど、これは失敗だった・・・。児童文学に近い小説なのだろうとは思って手に取ったけど。
中学生の3年間の日常が描かれた小説。でも、わたしはたぶんふつうの中学生と違っていたので、まったく共感しない。年代も多少違うので、特に懐かしいとも思わず。
ざんねんでした。
★☆☆☆☆


体育座りで、空を見上げて/椰月 美智子

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これは横山秀夫らしく、そしておもしろかった。
短編集(連作のような)なんだけど、ひとつひとつの話がおもしろいうえ、読み進めるほど登場人物の個性が浮き彫りになってくる。つい、前に戻ってもう一度読み返したくなるような。
★★★★☆


第三の時効/横山 秀夫

¥1,785
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軽くて読みやすいけど特に感想もない、という読書が最近多いのは、わたしが何を読んでもそう感じてしまう状態だからなのか、そういう本ばかりを選んでしまうからなのか。
つまらないわけじゃないけど、すごく楽しい!という読書を最近していない気がする。考えさせられたり内容が濃いと感じる読書も。

どれも同じような話に思えて。印象に残っているのは「泣かない女」かな。好きな話でもないけれど。
★★★☆☆


女たちは二度遊ぶ/吉田 修一

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